原題:Salaryman/撮影地:日本/製作国:コスタリカ、アメリカ
監督:アレグラ・パチェコ
自らを「奴隷」「社畜」と卑下しながらも、常に会社という集団のルールを優先する“サラリーマン”。 日本独特の社会制度と倫理観から生まれた企業戦士たちの、苦悩や悲哀に迫った。 写真家でもあるコスタリカ人の監督は、深夜の盛り場の路上で寝るスーツ姿の男たち見た時、 「企業による殺人」に見えたという。彼らの周りをチョークの白線で囲み、フィルムに収めた。 仕事のストレスに耐えながら家族を養う者もいれば、ドロップアウトする者や精神を病んだ者、 命を絶ってしまった者もいる。戦後の復興とともに築かれたサラリーマン社会には、 いまだに男尊女卑の価値観が残る。会社の消耗品として生きる彼らが追い求める幸せは何なのか。 働き方や生き方を問う作品だ。
鑑賞日:1月18日
時間:19時
年制作:2021
作品時間:80分
終身雇用を前提としてきた日本の社会において、「働く」ということは、 会社組織の一員であるという経済的な安定を意味していました。 そのため、個人の事情よりも企業の論理が優先する風潮が強くなりました。 働き過ぎによるストレスから不調を訴える人が増え、 過労死が社会問題化しはじめたのは2000年頃から。 2002年には「カロウシ」の日本語が国際的に採用されました。 以後も過労死は増え続け、過労死等防止対策推進法が成立した2014年には、 過労による自殺者が10年前の10倍にも増えていました。 先進国でありながら過労死が多発していることは世界的にも稀有です。 日本は海外から「労働者の権利が守られていない国」と認識されています。