原題:WHILE WE WATCHED/撮影地:インド/製作国:インド、イギリス
監督:ヴィナイ・シュクラ
インド人のテレビ局NDTVでニュースキャスターを務めるラヴィシュ・クマールはマスメディアでは異端の存在。 他局のほとんどが政権を持ち上げナショナリズムを煽る発信を繰り返す中、 社会から弾圧されたり無視されたりしている人々に寄り添った報道を続けている。 他局はこぞってラヴィシュの報道姿勢を批判し、扇動された視聴者はラヴィシュに殺害予告を送りつけた。 NDTVへの圧力もエスカレートし、渾身のスクープは電波障害でテレビに映らない。 局内では解雇や退職が続き、番組制作が難しくなるほどの人手不足に陥った。 他局がナショナリズム一辺倒の報道を続ける中、5年に1度の国政選挙が行われる。 権力に対するマスメディアの姿勢を問いかける作品。
鑑賞日:1月12日
時間:15時
年制作:2022
作品時間:94分
2014年のモディ首相が就任して以降、インドではナショナリズムが加速してきました。 最も顕著なのが、国民の8割を占めるヒンドゥー教徒にとって最大の宗教的ライバル といえるイスラム教徒への「弾圧」です。 イスラム教徒が多いカシミールは2019年に自治州から中央政府直轄に格下げされ、 抗議するジャーナリストや活動家を当局が拘束しました。モディ政権はマスメディアへの圧力も強化。 屈したメディアは政権への批判をやめ、「ムスリムがインドを支配しようとしている」 と民族間の対立を煽る報道を繰り返しています。民主主義国家を名乗るインドですが、 言論の自由さえも危ういという現実があります。
◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆
2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。
真実を伝えるために、圧力に屈しない記者の物語。
弾圧の時代に、真実を追うジャーナリズムの価値。
真実を守るために闘う記者たちの熱い覚悟。