原題:A CRACK IN THE MOUNTAIN/撮影地:ベトナム/製作国:香港
監督:アラステア・エバンス
開発の危機に晒されている世界最大の洞窟、ベトナムのソンドン洞をめぐるドキュメンタリー。 ソンドン洞は、そのスケールの大きさと景観の美しさで、発見されると瞬く間に世界中に知られるものとなった。 洞窟の入口までフォンニャの町から2日半を要する奥地にあり、貧困なジャングル暮らしを送っていた若者たちは、 ポーターの職を得た。町では旅行者を見込んだホテル建設が進む。大自然がつくり上げた奇跡の空間を、 政府や観光産業が放っておくはずはない。ついには洞窟内にロープウェイ建設の話が浮上した。 一度は国民の反対を受けて計画が頓挫したが、環境団体は「今も水面下で動きがある」と警戒する。 経済活動と自然環境保護、世界中の観光地が抱える問題の縮図ともいえる作品だ。
鑑賞日:4月5日
時間:15時
制作年:2022
作品時間:53分
ソンドン洞はベトナム中部のフォンニャ・ケバン国立公園にある、全長9kmの世界最大の洞窟です。 1991年に入口は見つかっていたものの、2009年に英国の調査隊が内部に入るまでは、未開の地でした。 洞窟内部には湖や滝、鍾乳石もあり、その幻想的な光景は「失われた世界」とも形容され、 観光スポットとして注目を浴びるようになりました。ソンドン洞があるクアンビン省は、 ベトナムで最も貧しい地域といわれています。ベトナム戦争時にアメリカ軍の爆撃によって破壊され、 1990 年代までほとんど再開発されずにいました。貧困地域にとって洞窟は貴重な観光資源であり、 開発が雇用を生んでいることも否定できない事実です。
◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆
2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。