私の名は、塩

原題:MY NAME IS SALT/撮影地:インド/製作国:スイス

監督:ファリーダ パチャ

インド西部のグジャラート州の広大な塩田地帯で、塩づくりを営む家族を描いたドキュメンタリー映画です。 インドの広大な湿地帯が、1年のうち8カ月間、製塩に活気づき、4万の家族が塩づくりに従事します。 映画は、塩づくりに取り組む家族が、砂漠のような大地の小屋に引っ越してくるところからはじまります。 「世界で一番白い塩を作る」ことが彼らの誇りです。彼らは家族総出で、ここで塩と共に生きるのです。 カメラは静かな家族の日常を捉え、スクリーンに映し出します。 泥にまみれながら過酷な労働する彼らの姿は、厳粛なほど美しく見えます。 インドの女性監督 ファリーダ パチャは、人間の営みを観察しながら私たちに問いかけるのです。 「なぜ、私たちは働くのだろうか」。彼女の映像詩が、私たちの生きる世界、そして私たち自身の生き様を見つめさせてくれます。

鑑賞日:1月4日

時間:15時

制作年:2013

作品時間:92分

予告編

自然の摂理に抗うことなく、ありのままを受け入れて生きる

1年のうちの8か月間、この砂漠のような大地で家族と共に過ごしながら塩づくりのために働く彼らは、 シーズンが終わるとこの地を去っていきます。モンスーンが彼らの塩田を押し流し、 そしてこの大地が海に飲み込まれてしまうからです。それでも彼らは、翌年もまたここへ戻ってきます。 「世界で一番白い塩を作る」ために。こうした彼らの営みを見つめることは、 インドの死生観に触れることにつながります。日が昇り、朝がくる。夕暮れになり、夜がきて、また朝がくる。 まるで命が永遠の循環を繰り返すように、終わりのない時間がゆっくりと流れていく・・・。 彼らは、自然の摂理に抗うことなく、ありのままを受け入れて生きているのです。 この映画は、資本家に搾取される貧しい労働者の社会問題を追及するためのものではなく、人間の営みを観察し、 私たちの生きている世界や、私たち自身の生きざまについて、まるで映し鏡のように、私たちに問いかけてくるものなのです。

私の名は、塩 伴野智

ファシリテーター

伴野智

◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆

2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。

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