原題:冲天/撮影地:台湾・中国/製作国:台湾
監督:チャン・チャオウェイ
祖国のために命を捧げる――。生と死のはざまに生きた若き戦闘機パイロットの姿を、 彼らに寄り添い、見守ってきた、3人の女性の視点で描いた作品。 日中戦争で中華民国空軍は、圧倒的な軍事力で侵攻する日本海軍の戦闘機を迎撃した。 搭乗するのは「第一世代」と呼ばれる中央航空学校出身の精鋭たち。 日本に衝撃を与え、「操縦士は優秀で、侮りがたき存在である」と言わしめた。 窮地に追い込まれても、敵の想像を超える勇敢さで戦い、散っていった。 自由な男女交際が認められ始めた、やわらかな時代の一方で、戦争に翻弄された中華民国の若者たち。 当時の映像記録や証言、生存者の回想にアニメーションを重ね、これまで語られてこなかった苦悩と悲哀に迫る。
鑑賞日:9月7日
時間:15時
制作年:2015
作品時間:98分
日本が満州国を建国した1932年、中華民国政府は杭州に中央航空学校を設立。 日本に対抗するべく新しい戦闘機を導入し、 パイロットの養成に注力し、終戦までに1700人を輩出しました。 1937年の盧溝橋事件を発端に、日本と中国は戦争に突入。 自信過剰だった日本軍の空襲を立て続けに迎撃しました。 戦勝に沸く市民は、空に散った若きパイロットに思いを寄せることもありません。 彼らの家族や友人だけが悲嘆にくれる現実がありました。 8年の戦争中に中国側の死傷者は軍民合わせて3000万人、日本軍にも100万人近い死傷者が出ました。 南京、武漢、重慶と侵攻する日本軍の足取りを追い、日中戦争の意味を掘り下げることができます。
◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆
2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。
戦火に翻弄された青春、語られぬ悲哀
祖国の空を守った若者たちの真実
勇敢な操縦士と女性たちの証言の記録