アーロー捨てられた娘たち

撮影地:中国/製作国:シンガポール、香港

監督:ウェイ・ドゥー

中国福建省の農村部には、女児が生まれると捨てる風習があった。捨てられた女児の多くが、海沿いの町「莆田」に連れてこられた。名前ではなく“アーロー”と呼ばれ、扱いは召し使い同然。家事や農作業に明け暮れ、学校にも通わせてもらえない。アーローは、莆田のほとんどの家庭に一人はいたと言われている。大人になっても読み書きができないため、低賃金の単純労働に就くしかないアーローたち。年頃になると養父母の実子との結婚を強要される。生まれたばかりの子どもを捨てる親、子どもを売買するブローカー、息子の嫁となることを前提に子どもを買う養父母。女性の人権を蔑ろにしてきた中国社会に一石を投じる作品だ。

鑑賞日:11月17日

時間:19時

制作年:2024

作品時間:46分

予告編

将来の結婚を目的に引き取られた養女たち

中国では結婚の際、新郎が結納金を支払うことが一般的です。結納金は新婦の年齢が上がるほど大きくなるため、男児がいる家では養女を迎え、成長後に結婚させるという慣行がありました。この慣行は宋代に始まり、1950年に婚姻法が施行されると下火になりました。その後、1960年代に経済的な困難が深刻化したことや1979年に「一人っ子政策」が始まり、農村部で男児を求める指向が強まったことを背景に復活。2000年代以降は農村の収入増や自由恋愛の一般化により沈静化しました。DNA検査の普及に伴い、実子・実親との再会を支援する活動が進展。福建省では再会支援団体「尋親帮帮団」が、当事者にDNA登録を呼びかけています。

アーロー捨てられた娘たち 伴野智

ファシリテーター

伴野智

◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆

2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。

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