オスロ・ダイアリー

原題:The Oslo Diaries/撮影地:パレスチナ、イスラエル、ノルウェー/製作国:イスラエル、カナダ

監督:モア・ルーシー、ダニエル・シヴァン

1992年、パレスチナ解放機構(PLO)の度重なるテロ行為で多くの犠牲者を出し、 平和と安全を誓ったイスラエルのイツハク・ラビン首相は窮地に追い込まれていた。 副首相のベイリンは秘密裏に、2人の歴史学教授をオスロ(ノルウェー)に向かわせた。 対面したのはアブ・アラ財務大臣を含むパレスチナの3人。戦争を回避するための方策が話し合われたのだ。 PLOはイスラエルに全占領地からの即時撤退を求めていたが、このとき初めて「まずガザからの撤退を」という妥協案を示した。 しかしラビン首相の案には入植地からの撤退や国境線への言及はなく交渉は難航。 その間にもパレスチナでは抗議者が殺され、イスラエルではテロが頻発していた。 互いの主張をぶつけながらも協議を重ねて妥協点を見出すイスラエルとPLO。 中東の歴史に刻まれる中東和平プロセスの重要な転換点「オスロ合意」の舞台裏に迫った作品だ。

鑑賞日:12月14日

時間:15時

制作年:2018

作品時間:98分

予告編

秘密裏に進められた外交交渉とオスロの和平合意を反故にしたイスラエル

パレスチナ解放機構(PLO)は、パレスチナ難民とイスラエルに占領されたヨルダン川西岸地域とガザ地区のアラブ人住民が主体となった組織。 1969年にヤーセル・アラファト議長が就任すると、対イスラエル・ゲリラ戦を積極的に展開。 パレスチナの反イスラエル闘争を担う代表機関になりました。 長きに渡るパレスチナ問題、両国のイスラエル・パレスチナ紛争ー。敵対していたPLOとイスラエルですが、 オスロでの秘密交渉を92年から開始。その結果、両者は相互承認を行い、 ラビン首相とPLOアラファト議長との間で「パレスチナ暫定自治に関する原則宣言」が調印されました。 その内容は主に「イスラエルを国家として、PLOをパレスチナの自治政府として相互に承認する」 「5年間のパレスチナ暫定自治を行い、5年後に最終的地位協定を発効させる」というものでしたが、 ノーベル平和賞を受賞したオスロ合意後、瓦解の流れが生まれ、2006年7月のイスラエルによるガザ地区侵攻により事実上崩壊しました。

オスロ・ダイアリー 伴野智

ファシリテーター

伴野智

◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆

2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。

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