見捨てられた人びと

原題:THE LAST MAN/撮影地:イギリス、インド/製作国:インド

監督:ダクシン・チャラ

インドのカースト最下層から、不可触民「ダリト」の人々に与えられた仕事の実情と、 彼らの苦悩を映像に収めたドキュメンタリー。汚物清掃に従事する者たちは、手作業で街中のごみをかき集め、 排泄物にまみれたトイレや下水管を掃除する日々を送っている。マンホールの中は汚物だけでなく、 有害なガスが溜まることもあり、仕事中に命を落とす作業員は少なくない。 そして、死亡時の補償金どころか、仕事の報酬も満足に受け取れない。 皮革業を営んでいた者たちは政府に看板を奪われ、動物の死骸から皮を剥がす作業だけが残った。 ヒンドゥー教の聖地、バラナシで死体の火葬に従事する男は、死体を扱う仕事から逃れられないことを嘆く。 これが、不可触民への差別を公然と行うインド社会の現実だ。

鑑賞日:2月23日

時間:15時

制作年:2020

作品時間:60分

予告編

カーストの階級から外れた不可触民「ダリト」

インドの不可触民「ダリト」は、身分制度「カースト」の階級から外れた“社会の底辺”にあたる人々で、 その数はおよそ2億2000万人。インド人口の16.2%を占めています。 ダリトが就く職業は、死体処理や清掃など上位カーストの人たちが忌み嫌う“不浄な仕事”。 世代を超えて半ば強制的に世襲されられることが多く、そのサイクルから抜け出す機会はほとんどありません。 不衛生で危険な上に賃金は安く、多くのダリトが日々の生活もままならない状態です。 ヒンドゥー教徒であるにもかかわらず、ヒンドゥー寺院への立ち入りが禁止され、 上位階級が使う井戸や貯水池も使えません。ダリトはインド社会から分離され、 厳しい差別の被害をこうむっているのです。

我らはジャーナリスト 伴野智

ファシリテーター

伴野智

◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆

2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。

我らはジャーナリスト 我らはジャーナリスト