原題:Hostile/撮影地:イギリス/製作国:イギリス
監督:ソニタ・ゲール
パキスタン人のファルクは2003年に学生として英国に入国。その後、ITエンジニアとして英国で働き続けている。 職場は「国民保健サービス」。従業者の多くが移民で、路上生活を余儀なくされるほどの低賃金にもかかわらず、 コロナ禍の医療最前に立たされていた。そんな医療従事者のためにボランティアで食事提供を始めたのも、移民のコミュニティだった。 無休で毎日4000食近くを提供。「困っている人を放っておけない」という、人助けの精神で支援を続けたが、施設からの退去を命じられる。 英国人社会は、1960年代には早くも移民の流入に危機感を募らせ、排他的な運動が始まっている。 その後、英国の法制は移民に対して厳しくなる一方だった。どれだけ社会に貢献しても受け入れてもらえない、 英国移民の悲哀があふれる作品だ。
鑑賞日:1月11日
時間:15時
制作年:2022
作品時間:98分
英国の戦後復興期に、旧植民地であるカリブ系やインド系の移民が、労働力として受け入れられ、 英国の経済成長の一端を担ってきました。この時期の移民とその子孫の増加により、 英国社会は多民族化・多文化化が進みました。同時に、社会的な摩擦も顕在化。 悪質な雇い主による移民の労働力搾取、移民労働者に職を奪われた人々の不満、 移民の増加が治安を悪化させているといった主張もあります。こういった心理が、 移民へのハラスメントや攻撃につながり、「敵対的環境」を生み出しています。 2018年には内務省によって、英国領時代にカリブ海諸国で生まれた移民を誤って強制送還したり不当に拘束したり、 行政サービスの対象から排除したりといった事件も起きています。
◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆
2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。