原題:Heartbound: A Different Kind of Love Story/撮影地:デンマーク、タイ/製作国:デンマーク、オランダ、スウェーデン
監督:ヤヌス・メッツ、シーネ・プラムベック
欧州・デンマークのユトランド半島にある小さな漁村に、多くのタイ人女性が移り住んでいます。貧しいタイの女性たちが、漁村で暮らす孤独な男性のもとに嫁いでいるのです。はじまりは、タイの歓楽地パタヤでセックス・ワーカーとして働くタイ人女性と地方の寒村で漁師として働く孤独なデンマーク人男性との出会いでした。「必死に生きる女性」と「孤独に耐えられない男性」が二人を結婚へと導いたのです。国際結婚を実現した漁村に嫁いだ女性は、同じく貧困に苦しんでいた自分の姪を呼び寄せ、同じ村の男性と結婚させます。そして、さらにタイの新聞に「花嫁募集」の広告を掲載し、小さな村にタイ人女性とデンマーク人男性の夫婦を増やしていったのです。生きるためにタイからデンマークへ嫁いだ女性たちの、異文化結婚の波乱の人生を見つめます。 アフガニスタンの苛酷な戦場と兵士の苦悩を記録したドキュメンタリー映画「アルマジロ」でカンヌ国際映画祭批評家週間グランプリを受賞したデンマークの名匠ヤヌス・メッツ監督が10年間取材した渾身の作品。
鑑賞日:8月22日
時間:15時
制作年:2018
作品時間:91分
タイには、日本以上に助け合いの精神が浸透しているといわれています。仏教の功徳のひとつとされ、豊かな人は貧しい人を助けるべきという価値観があるのです。そのため、助けられる側には、日本人のような恥ずかしさや気後れがないという現実もあります。そうしたなかで、「生きるために嫁ぐ」という考え方もまた、日本人の常識に比べ、ハードルは低いのかもしれません。そして、タイでは家族や親戚の絆が太い分、配偶者やその家族が豊かであれば、その豊かさにあやかりたいという親戚一同の欲求も高まります。ひとりの女性の結婚から、花嫁募集の動きで、デンマークへ嫁ぐタイの女性が増えたのは、そうした価値観によるところも大きいでしょう。一方で、彼女たちは、外国へ移り住むことの国際結婚・異文化結婚の困難にも直面します。海外移住し、言語も価値観も違う外国人の男性と人生をともに過ごすことの難しさは、当然ながら人生を一変させ、想像を超える苦難をもたらすのです。未婚の彼女たちにとって、結婚とは何なのか。愛とは何なのか。本作は、国際結婚と結婚移住を選択し、自ら人生を切り開こうとする彼女たちの、「愛」を求める遠く長い旅の記録・家族との絆を描くドキュメンタリー映画です。
◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆
2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。