原題:Genesis 2.0/撮影地:ロシア、韓国、中国/製作国:スイス
監督:クリスチャン・フレイ
牙ハンターのピーター・グレゴリエフは、北極海に浮かぶニューシベリア諸島で、 マンモスの牙を掘り出して生計を立てる。あるとき牙を探していた仲間が、 土中から1頭丸ごとのマンモスを発見した。そのマンモスの回収に来たのが、 ピーターの弟でマンモス博物館の館長を務めるセミヨンだった。 セミヨンの狙いは、マンモスの生きた細胞を手に入れて、クローンを生み出すこと。 調査ではマンモスの血液までも手に入れることができた。 クローン生成やゲノム操作の最前線と、 牙発掘という原始的な生業がクロスオーバーした世界が見せてくれるものは、 科学の可能性か、それとも生命の尊厳か。 我々人類が未知の領域に踏み込んでしまったことを、神は許すのだろうか。
鑑賞日:1月18日
時間:15時
年制作:2018
作品時間:113分
かつてマンモスは、およそ1万1000年前に絶滅したと言われていましたが、 北極海の離島では、約4000年前まで生息していたことが判明しました。 マンモスのクローン化を目指すロシアと韓国の共同研究チームは、 2012年に発足。韓国側の研究者の一人が、黄禹錫(ファン・ウソク)元ソウル大学教授でした。 ファン氏はクローン研究で世界的に注目されながら、論文のねつ造が発覚。 その倫理観を問われ、韓国社会や学会、国際的な表舞台から追放されました。 しかしファン氏は2005年に世界で初めて犬のクローンを成功させた人物。 世界の富裕層のペットのクローンなどを手掛けるクローン作製の第一人者として成功し、 「クローン王」と称されるまでの存在になりました。
◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆
2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。
氷の下から蘇るマンモスが問いかける科学の未来。
絶滅した命が復活する時、人間は神になれるのか?
マンモスクローンの夢が広げる、希望か恐怖か?