ガザの音

原題:Gaza Sound Man /撮影地:パレスチナ/製作国:カタール

監督:ホッサム・アブ・ダン

主人公は33歳の音響技師、ムハンマド・ヤーギー。ガザの街の音声を拾い続けている。 イスラエルによる空爆が始まる前の、平和で希望にあふれたガザの音は、もう録音することができない。 今のガザにあふれているのは、爆撃の音や悲鳴、救急車のサイレン、犠牲者を悼む鳴き声、そして“沈黙”の響きだ。 その沈黙においてさえ、ドローンが音を立てて彼らを監視している。 難民キャンプでも市民の苦悩や悲痛な訴えがマイクに届く。 慣れ親しんだ暮らしが一瞬にして奪われ、プライバシーのないテント生活は終わりが見えない。 彼は今日も、誰も消すことができないガザ市民の声を録音し続けている。

鑑賞日:7月25日

時間:19時

制作年:2025

作品時間:43分

予告編

イスラエルの空爆により全てが廃墟となったガザ

2023年10月、イスラム原理主義組織ハマスによる大規模な越境攻撃により、 イスラエルとパレスチナの紛争が再燃しました。 イスラエルは連日、ガザ地区に大規模な空爆を行い、侵攻を続けました。 ガザ地区の大部分は廃墟と化し、ハマス運営の保健省によると、 これまでに5万人以上のパレスチナ人がガザで殺害されています。 医療施設さえもイスラエルの攻撃対象とされたため、 ガザの多くの地区が丸ごと壊滅。農地だった場所でさえ、 イスラエル軍が重機や戦車で更地にしたため、もはや砂と瓦礫しか残っていない状態です。 長さ41キロ幅10キロという狭小なガザ地区のほとんどが、 もはや人が住める環境ではなくなっています。

ガザの音 伴野智

ファシリテーター

伴野智

◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆

2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。

quote

沈黙の中で、声を録り続ける男がいる。
ガザの音が、世界に問いかける。
消せない声が、マイクに届いてくる。

ガザの音 ガザの音