原題:Eat Your Catfish/撮影地:アメリカ/製作国:トルコ、アメリカ
監督:アダム・アイゼンバーグ、ノア・アミール・アルジョマンド、セナム・テュゼン
主人公のキャサリンは、5年前に筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された。 ニューヨークで療養生活を送っていたが、緑豊かなキャッツキルズの自宅に戻り、娘の結婚式に備える。 病状が進行したキャサリンの体は、鼻から下が動かない。 視線入力装置で画面上に文字を表示し、コミュニケーションをとる。 介護士が度々代わる中で、息子のノアは献身的に世話をしてくれるが、夫のサイードは彼女に対して非協力的だ。 抱えたストレスを爆発させるとき、その矛先は夫に向かう。 心のすれ違いを感じながら、キャサリンの頭をよぎるのは家族のことと自分の死期のこと。 ゆっくりと死に近づく難病に冒された母親の、切実な思いを綴ったドキュメンタリー。
鑑賞日:10月18日
時間:15時
制作年:2021
作品時間:74分
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動神経に異常が起こり、 手足や喉などの筋肉が徐々にやせて力がなくなっていく病気です。 発症原因は解明されておらず、治療法も確立されていません。 視力や聴力、体の感覚は失われないので、患者は意識がはっきりしているのに、 思うように自分の体を動かすことができない状態になります。 逆に言えば、その時々の症状に応じたサポートがあれば、 社会生活を営むことができる病気です。 医療的なケアのほか、介護や福祉の面での支援、経済的負担の軽減などがあれば、 患者もその家族も希望を持って生きることができるでしょう。
◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆
2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。
ALSと闘う母、家族と死期に向き合う日々
動かぬ体で伝える、母の愛と葛藤の記録
死に近づく母の切実な想いを描くドキュメンタリー