原題:THE DEVIL'S DRIVERS/撮影地:パレスチナ/製作国:カタール、フランス、ドイツ
監督:ダニエル・カーセンティ、ムハンマド・アブゲス
生活のために“密航者”を運ぶことを生業とする男たちの危険に満ちた日々を描く。 パレスチナ南部の砂漠地帯に暮らすハムーダの仕事は、不法労働者をイスラエルに送ること。 いとこのイスマイルや見張り役と連携して砂漠を疾走する。 目指すのは、パレスチナとイスラエルの分離壁がないジェンバの集落。 軍の目を盗んで国境に辿り着き、イスラエル側の密航業者にバトンタッチする。 警戒を強めるイスラエル軍は検問所を増やし、ジェンバの住民に道路封鎖を命じた。 リスクを負ってまで密入国するためにイスラエルに向かう労働者とドライバー。 虐げられたパレスチナ人の暮らしにも迫った、シリアスなドキュメンタリーだ。
鑑賞日:6月14日
時間:15時
制作年:2021
作品時間:93分
パレスチナの中東地域をめぐり、ユダヤ人とアラブ人が長年争いつづけている中東問題は、 多くのパレスチナ難民を発生させてきました。1967年の第三次中東戦争以来、 万単位のパレスチナ人がイスラエル領へ「通勤」し、イスラエルで働いています。 イスラエルのユダヤ人と被占領下のパレスチナ人とは対立しながらも、 経済では共に活動している面があるのです。 とはいえ、イスラエルでの労働を認められないパレスチナ人は多く、検問や国境を超えて、 不法労働者として潜入する者が後を絶ちません。インフラが破壊され、 国内では低賃金の仕事にしか就けないパレスチナ人と、安い労働力を確保したいイスラエル企業。 戦争がもたらした両国間の格差が、次の密入国・密航者を生み出しています。 強硬なパレスチナ占領政策に対するインティファーダが発生したり、ガザ地区での紛争激化など、 厳しい状況が続く、イスラエルとパレスチナの出口はまだ見えません。
◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆
2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。