原題:Dance Or Die/撮影地:オランダ、シリア/製作国:オランダ
監督:ローズベ・カボーリ
バレエダンサーのアハマド・ジュデは、ISの襲撃により廃墟と化したシリアの街、ヤルムーク出身。 才能を見出され、オランダ国立バレエ団に招聘された。 祖国とは正反対の平穏な暮らしに心安らぐ日々を過ごしながらも、 故郷の難民キャンプで困窮生活を余儀なくされている家族への仕送りを欠かさない。 その額は収入の9割にも及ぶ。無我夢中でダンスに明け暮れる自分とは別の意味で、 必死に生きている家族への思いは募る一方だ。アハマドの人気は欧州全土に広がり、 しかし彼はその陰でISの殺戮の記憶と、激しい頭痛に苛まれている。 自分自身の存在価値と、自由を求めて踊り続ける若者の心に密着したドキュメンタリーだ。
鑑賞日:12月12日
時間:19時
年制作:2018
作品時間:54分
主人公のアハマド・ジュデが暮らしていたヤルムークは、 パレスチナ難民のキャンプがあった街です。ISに制圧されて廃墟同然になってしまいました。 2016年にアハマドは、母の出身地、パルミラ初の舞台を踏みました。 会場となったパルミラ遺跡円形劇場は、ISがシリア政府軍を処刑した場所。 ISに脅迫されながら踊り続けたアハマドは、 そのパフォーマンスが認められて欧州へと活動の舞台を移しました。 ISなどのイスラム過激派組織は、バレエがイスラム教の「ハラーム」 (禁忌)で不道徳なものにあたるとして批判。 バレエ団は自由な活動ができない状況です。
◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆
2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。
戦火の中で生きる彼の心に迫る感動の話。
自由を求め、ダンスで未来を切り開く若者。
壊滅的な過去と向き合うバレエダンサーの挑戦。