霧の中の子どもたち

原題:Children of the Mist/撮影地:ベトナム/製作国:ベトナム

監督:ハー・レ・ジエム

北ベトナムの山間に暮らすモン族の伝統的風習、 「嫁さらい」に巻き込まれた14歳の少女の一部始終をカメラが追った。 主人公のジーは学校に通いながら、家業の藍染めや農業、 家畜の世話などを手伝う。父親は一日中酒に酔っていて、 母が生活を切り盛りするため、子どもは大切な労働力でもあるのだ。 春節の祭りの日、ジーはヴァンという少年と懇意になり、彼の家に連れ去られた。 母親はジーを取り戻そうとするが、「嫁さらい」に親は関与できない。 結婚を迫るヴァンと拒むジー。騒動は学校や両家の親族まで巻き込んで、 二転三転してゆく。現代においても女性の人権を認めない、 伝統的価値観が根強く残るモン族の社会を描いた作品だ。

鑑賞日:1月4日

時間:15時

年制作:2021

作品時間:92分

予告編

◆伝統的風習が変化し、誘拐婚として現代に残る◆

モン族には、嫁を「さらって来る」風習があります。 本来は、結婚に合意した男女があらかじめ示し合わせて、 日時と場所を知らせた上でさらいに行き、 女性の家族が男性からの贈答品を受け取ると結婚が成立する「儀式」のようなものでした。 しかしこの風習が次第に変化し、男性が気に入った女性を無理やり連れ帰り結婚を迫る 「誘拐婚」が増えてきました。娘が連れ去られても親が連れ戻せないないのがモン族のルール。 女性は結婚を拒みたければ自力で逃げ出さなければなりません。 「嫁さらい」はモン族で児童婚率が高いことの理由の一つとされています。

霧の中の子どもたち 伴野智

ファシリテーター

伴野智

◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆

2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。

quote

モン族の伝統「嫁さらい」に巻き込まれた少女の一部始終。
文化と人権の狭間で揺れる家族と社会。
人権より伝統を優先する社会の現実が浮き彫りに。

霧の中の子どもたち 霧の中の子どもたち

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