原題:Buddha in Africa/撮影地:マラウイ共和国/製作国:南アフリカ、スウェーデン
監督:ニコール・シェーファー
マラウイなどアフリカの国々で孤児たちを支援する施設が根づきはじめています。 中国語で中華思想をたたきこむ全寮制の学校です。 貧しい農村部で、家族が養えない子どもたちを集めて中国名を与え、徹底した中国語教育を行っているのです。 カリキュラムは、数学などの基礎学習に加え、仏教や少林拳など徹底して中国文化を修練させることを実践しています。 指導では、アフリカ的な価値観は排除され、当然のように中国への同化が求められます。 生徒たちは、学校側の思惑と自らのアイデンティティとの板挟みに悩みながらも成長していきます。
鑑賞日:3月8日
時間:15時
制作年:2019
作品時間:90分
「中国人は人間を食べるという噂があった」。そんな噂がまことしやかに広がることからも分かるように、 アフリカの民衆にとっては、中国の進出が手放しで歓迎できるものではなさそうです。 その理由は、中国人のアフリカでの振る舞いが、決してアフリカのためではなく、 中国の利益のためだということが露骨に感じられるからではないでしょうか。 貧しい子どもたちは、支援されなければ教育を受けられないことを理解していますが、 一方で中華思想の教育を「強制されている」と感じており、自らのアイデンティティとの狭間で苦しみます。 隔離教育のせいで、生まれ持った自国の言葉を話せず、親戚との会話でさえ十分できない苦悩。 かといって中華思想に染まりきることもできず、深まっていく孤立感。 自分は、何のために学ぶのか、何のために生きるのか。 その問いは、中国に支配されつつあるアフリカの自問自答のようです。
◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆
2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。