14歳とイスラム教徒

原題:14&MUSLIM/撮影地:カナダ/製作国:カナダ

監督:ウェンディ・ローランド

カナダ・トロントのイスラム系私立学校に通う14歳の生徒たちが、進路の選択について悩む様子を6カ月間追ったドキュメンタリー。慣れ親しんだイスラム系の高校もあるが、公立校やカトリック系の高校にといった新しい道に進むこともできる。イスラム過激派のテロ事件が相次ぎ、「反イスラム」の風潮はカナダにも吹き荒れている。不安や恐怖、偏見に抗いながら、未来へと歩んでゆくムスリムの若者たち。異教徒の社会の中で自らのアイデンティティを守ると同時に、相手への敬意や理解も欠かさない。さまざまな気づきを得て、異教徒との共生を図る彼らの柔軟なマインドに迫る。

鑑賞日:10月7日

時間:19時

制作年:2018

作品時間:44分

予告編

異教徒間の、実利と価値観の「戦略的合致」

カナダなどの多文化社会において、ムスリム家庭があえてカトリック校を進学先に選ぶ現象が注目されています。最大の要因は、公立校が進める進歩的な性教育やLGBTQ+への配慮といった世俗的なカリキュラムへの拒否感です。保守的な価値観を重んじる親たちは、生殖生物学やジェンダー観においてより「伝統的」な世界観を持つカトリックの教育環境に、宗教の壁を越えた共鳴を見出しています。また、カトリック校が掲げる高い学業水準や、信仰と社会責任を重視する全人的な教育方針も、教育熱心な家庭から強い信頼を得ています。イスラム嫌悪が影を落とす現代社会において、特定の宗教を基盤とした「信仰を尊重する土壌」は、全く未知の世俗的な環境よりもむしろ安心できる帰属先となるのです。

14歳とイスラム教徒 伴野智

ファシリテーター

伴野智

◆株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者◆

2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、 ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、 独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。 ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、 ギャラクシー賞などの受賞実績がある。

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